ウィルス感染と細菌感染|喘息や生活習慣病などでお困りなら船堀内科クリニック

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ウィルス感染と細菌感染

ウィルス感染と細菌感染の違い

風邪は抗生物質で治ると思っている人がいますがそれは間違いです。抗生物質は細菌を殺す薬です。一方風邪はウィルスによっておこる病気です。それでは、細菌とウィルスは何が違うのでしょうか?

細菌は細胞を持ち自分の力で増殖できます。一方ウィルスはたんぱく質の外壁と内部に核酸(DNA、RNAつまり遺伝子)を持った単純な構造体です。ウィルスは人間の体の中に入り込み、その細胞に、自分のコピーを作らせます。細胞の中で自分のコピーが大量に作られると、やがてその細胞は破裂されます。破裂した時に細胞の中から大量のウィルスが飛び出し、他の細胞に入り込みます。

こうしてウィルスは増えていきます。つまり、ウィルスは自分自身で増殖する力はなく、生きている細胞の中でしか増殖できません。大きさも違います。細胞は1~5μm(1μm=1/1000mm)で顕微鏡で見える大きさです。ウィルスは20~100nm(ナノメートル、1nm=1/1000μm)と、細菌の1/10-200の大きさです。抗生物質は細菌の構造を破壊する薬です。細胞の構造を持たないウィルスには抗生物質は効きません。

それでは、発熱している患者さんが、細菌感染かウィルス感染かをどのように判断するのでしょうか。実際は難しいのが実情です。咽頭の診察所見やレントゲン所見などで判断します。また、一般に細菌感染では血液の白血球は増加します。(正常値は4000~8000/mm3)一方ウィルス感染では白血球は増加しません。

当院では発熱をしている患者さんには採血をして迅速に白血球を調べ、細菌感染かウィルス感染かを判断し、抗生物質の投与をきめています。軽い発熱、鼻水、咽頭痛といった明らかな風邪(ウィルス感染)の患者さんに抗生物質を投与することは、勧められません。

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