COPDは、日本語で「慢性閉塞性肺疾患」といい、以前は、肺気腫あるいは慢性気管支炎と呼ばれていた病気です。日本ではほとんどタバコが原因で、ゆっくりと進行し、20~30年経過してから症状が出ます。
ダバコの煙により肺胞が拡張・破壊され、細かい気管支も炎症のため狭くなります。徐々に進行し肺胞が破壊されてしまいます。
正常な肺のCT画像
COPD患者のCT画像
肺胞とは、酸素と二酸化炭素を交換する肺の組織です。息を吸う時には、肺に空気が入っていきますが、COPDでは吐くときに肺から空気が上手く出ていかなくなり、その結果肺は大きく膨らみます。そうして、正常な肺の血管が細くなったり、呼吸筋である横隔膜を押し下げたりします。
慢性の咳と痰、坂道や階段を上がるときの息切れや苦しさなどが主な症状です。今まで簡単にできたことが息切れのためにできなくなりますが、歳をとったためと誤解されている場合もあります。
身体所見の変化、胸部レントゲン写真、血液中の酸素濃度測定などの検査で異常が見られるのは病気が非常に進行してからで、肺の機能検査を行うと異常がより早く見つけられます。最近は肺機能検査で肺年齢を調べ、実際の年齢よりも高い場合にはCOPDを疑います。
最近の日本人を対象とした調査では、40歳以上の日本人の約530万人がCOPDに罹患していると推測され、今後、死因の上位にランクされるものと考えられています。
当院では、肺機能検査や画像診断器機を用いたCOPDの早期診断、禁煙指導や薬物療法から進行例に対する在宅酸素療法まで一貫した治療を行っています。慢性の咳、痰や息切れのある方はお気軽にご相談ください。