内臓脂肪とメタボリックシンドローム|喘息や生活習慣病などでお困りなら船堀内科クリニック

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内臓脂肪とメタボリックシンドローム

「ちょっとお腹が出てきた」
「コレステロール値がやや高いと言われた」
「血糖値が高めだ」
「少し血圧が高い」

肥満、高脂血症、高血糖、高血圧は互いに関連があります。ひとつひとつの異常はわずかでも、それがいくつか重なると大病を引き起こす可能性がぐっと高くなってしまうのです。

病気のもとは、内臓脂肪の蓄積

肥満は、大きく2つのタイプに分けられます。皮膚の下に脂肪がつく「皮下脂肪型」と、内臓の周辺に脂肪がたまる「内臓脂肪型」です。

内臓脂肪型の肥満は中高年の男性に多く、おなかだけがボコっと出ているのが特徴です。しかし外見上はさほど太っていなくても、内臓周辺に脂肪がたまっていることもあります。太っている人は、高脂血症や高血圧などの病気を持っていることが少なくありません。これは、過剰な内蔵脂肪が、高脂血症、高血糖、高血圧を引き起こすためです。

これらはすべて、動脈硬化の危険因子です。内臓脂肪型肥満である人のうち、高脂血症・高血糖・高血圧のいずれか2つを持っている人は、メタボリックシンドロームと診断されます。一つひとつの異常は軽度に見えても、それらがいくつか重なると、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気を引き起こす可能性がぐっと高くなります。ある研究では、これらの因子を3つ以上持っている人は、全く持っていない人に比べて、狭心症や心筋梗塞の発症率が30倍以上にもなることがわかりました。

内臓脂肪を減らすためには、体重を減らすことです。つまりダイエットです。

ダイエットについて

1Kg体重を減らすためには7000Kcal消費する必要があります。ですから、一ヶ月で2Kg体重を減らすためには一ヶ月で14000Kcal減らさなければならず、一日で約460Kcal消費しなければなりません。よく、無理なく体重を減らすためには、一ヶ月で2,3Kg減らしてくださいなどといわれますが、これは大変なことです。

デスクワークでは、一日に消費するカロリーは大体1600Kcalですから、摂取するカロリーは1200Kcal以内に抑えなければいけません。これは、かなり空腹と戦わなければなりません。内臓脂肪を減らすことは、空腹と戦うことなのです。体重を減らすのは、一ヶ月で1~2Kgが限度です。

それでは、いかに無理なく体重を減らすかというと、

  • 毎日体重を量る。体重が減るように食事のカロリーを抑える。
  • 細かいカロリー計算は無理なので、カロリーの低い食べ物を食べる。
  • ご飯を食べる前に野菜を食べる。野菜はカロリーが低く、空腹感を満たしてくれて、糖質の吸収を抑えてくれます。
  • ゆっくり食べる。食事を取ってから脳に満腹感が伝わるまで約30分かかるといわれています。早く食べると、脳に満腹感が伝わらず、過食をしてしまいます。
  • 脂肪、糖質を避ける。
  • 夜9時以降は食べない。夜遅くに食べると、余ったカロリーは内臓脂肪になりやすいといわれています。仕事などで、夕食が遅くなりそうな時は、6時ぐらいにおにぎりなどで、夕食を済ませてしまいましょう。
  • あまった食べ物は残す。ある程度、空腹感が満たされたら、食べ物は残しましょう。作った人に悪いからなどと、必要のない食べ物を食べないようにしましょう。たとえ奥さんが作ってくれたものでも、食べ過ぎれば、健康を害し、結局は奥さんを不幸にしてしまいます。心を鬼にして残しましょう。
  • 宴席などでも、糖尿病の人は、私は医師から、カロリーを制限されているといい、過食にならないように食べ物を残しましょう。

運動はしたほうがいいです。運動をするとカロリーを消費します。週に3~4日ウォーキング、やジョギングをするのがベストです。一時間ジョギングをすれば約400Kcal消費します。スポーツジムには入れれば、入ったほうがいいです。

しかしながら、仕事で時間を奪われ、運動をする時間のない人がほとんどです。仕事の中で、歩く癖をつけることもひとつの手です。営業などで、外回りをする人は、そのウォーキングも運動になります。

通勤時間を運動時間にすることも良いでしょう。バスは一つ前で降りて歩く、エスカレーターやエレベーターは使わないなど。昼の食事は遠くの店まで歩いていく。何とか、一日の中で歩く時間を作りましょう。

一年の中で食欲のある時期とない時期があります。また、ダイエットをやる気のある時期とない時期があります。食欲のない時期ややる気のある時期に体重を減らして、食欲のある時期やダイエットする気持ちのない時期は現状維持でいきましょう。

私もかつては身長162cmで85Kgありましたが、現在は62Kgです。約8年の間で、5回のダイエットをし、4回のリバウンドを経験しました。太ってしまう人の気持ちもよくわかります。体重を落としたい人はご相談下さい。

お薬について

一般に3~6ヶ月生活習慣を改善しても、血圧、血糖値、LDL-コレステロール、中性脂肪の値が改善しないとお薬を開始しましょうと言われています。
しかし、健康診断などで、異常値を指摘されても、すぐに、生活習慣を変えられるモチベーションを持つ人はわずかです。長年続けた生活習慣ですから、なかなか変えられません。

異常値が治療域の方は、まずは薬を開始することもひとつの手です。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、肥満は動脈硬化の危険因子であり、放置すると、症状はなくとも、動脈硬化が進行してしまいます。現在は生活習慣病のお薬は大変よいものが多く、そのおかげで、昔、塩分の取りすぎで、日本人に多かった脳卒中もよい降圧剤が多いので、現在の脳卒中は減少しています。

患者さんの中には、お薬を開始して2~3年経ってから、私との会話の中で、お薬だけを飲んでいても、肥満を改善しなければだめだと思い、ダイエットに成功し、お薬を止められる患者さんもいらっしゃいます。また、私の経験からも、1年の中では、食欲がある時期と、ない時期があります。
食欲のない時期を利用してダイエットを開始する患者さんもいらっしゃいます。生活習慣を変えるには、長い年月を要します。

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